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Jul 15, 2005

第三者異議と法人格否認の法理

 第三者異議の訴えの原告の法人格が執行債務者に対する強制執行を回避するために濫用されている場合には、原告は、執行債務者と別個の法人格であることを主張して強制執行の不許を求めることは許されないとされた事案。

 判決文原文はこちら

  甲会社がその債務を免れるために乙会社の法人格を濫用している場合には,法人格否認の法理により,両会社は,その取引の相手方に対し,両会社が別個の法人格であることを主張することができず,相手方は,両会社のいずれに対してもその債務について履行を求めることができるが,判決の既判力及び執行力の範囲については,法人格否認の法理を適用して判決に当事者として表示されていない会社にまでこれを拡張することは許されない(最高裁昭和43年(オ)第877号同44年2月27日第一小法廷判決・民集23巻2号511頁,最高裁昭和45年(オ)第658号同48年10月26日第二小法廷判決・民集27巻9号1240頁,最高裁昭和50年(オ)第745号同53年9月14日第一小法廷判決・裁判集民事125号57頁参照)。
 ところで,第三者異議の訴えは,債務名義の執行力が原告に及ばないことを異議事由として強制執行の排除を求めるものではなく,執行債務者に対して適法に開始された強制執行の目的物について原告が所有権その他目的物の譲渡又は引渡しを妨げる権利を有するなど強制執行による侵害を受忍すべき地位にないことを異議事由として強制執行の排除を求めるものである。そうすると,第三者異議の訴えについて,法人格否認の法理の適用を排除すべき理由はなく,原告の法人格が執行債務者に対する強制執行を回避するために濫用されている場合には,原告は,執行債務者と別個の法人格であることを主張して強制執行の不許を求めることは許されないというべきである。




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