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Jul 19, 2005

選挙訴訟係属中に辞職

衆院東京4区の定数訴訟、議員辞職で訴え却下
  (朝日新聞)

 衆議院小選挙区選出議員の選挙に係る選挙訴訟係属中に当該選挙において当選人となった議員が辞職したことにより選挙訴訟の訴えの利益が失われるとされた事案。

 判決文原文はこちら

 公職選挙法204条の規定による選挙訴訟は,選挙の規定に違反して執行された選挙を無効とすることにより(同法205条),その効果を将来に向かって失わせ,再選挙を行わせること(同法109条)を目的とするものである。衆議院小選挙区選出議員の選挙につき選挙訴訟が提起されている場合において,その選挙において当選人となった議員が辞職したときに当該選挙訴訟の訴えの利益が消滅するかどうかについては,次のとおり解するのが相当である。
 まず,当該選挙において同法95条2項の規定の適用を受けた得票者で当選人とならなかったものがあり,同法112条1項の規定による繰上補充として新たに当選人が定められることになる場合においては,選挙訴訟の訴えの利益が失われないことはいうまでもない。また,辞職した議員の当選の効力に関し同法208条1項の規定による当選訴訟が係属しているか,又はその出訴期間が経過しておらず,その訴訟の結果いかんによって,同法96条の規定による当選人の更正決定により新たに当選人が定められる可能性がある場合においても,選挙訴訟の訴えの利益は失われないというべきである。さらに,選挙訴訟において選挙の一部が無効とされた場合には,無効とされた開票区において従前の候補者による再選挙が行われ,その得票数と無効とされなかった開票区の得票数とを合算して得票総数を計算し(同法80条3項),これにより新たに当選人が定められることになるのであって,選挙の一部が無効とされた場合に行われる再選挙と議員の欠員が生じた場合に行われる補欠選挙(同法113条1項)とでは,その実質が異なるものであるから,選挙訴訟の結果選挙の一部のみが無効とされる可能性がある限り,選挙訴訟の訴えの利益は失われないというべきである。
 以上に対し,当該選挙に関し,辞職した議員以外の者が繰上補充等により当選人となる可能性がなく,選挙訴訟の結果選挙の一部のみが無効とされる可能性もない場合には,その選挙が有効であるとしても無効であるとしても,その選挙区において新たに選挙を行わなければならないことに変わりはなく,また,選挙無効の判決が確定しても,その選挙の効果は将来に向かって失われるにすぎないのであるから,その選挙が有効であるか無効であるかを決することに法的な意味はなく,その議員の辞職により選挙訴訟の訴えの利益は消滅するものと解すべきである。
 ところで,公職選挙法33条の2第7項は,衆議院議員及び参議院議員の再選挙又は補欠選挙は,その選挙を必要とするに至った選挙についての選挙訴訟若しくは当選訴訟(以下,併せて「選挙訴訟等」という。)の出訴期間内又は選挙訴訟等が係属している間は,これを行うことができない旨規定している。同項は,選挙訴訟等の出訴期間内又は選挙訴訟等が係属している間に再選挙又は補欠選挙を行ったとしても,選挙訴訟等の結果いかんによっては,元の選挙の効力の全部若しくは一部が失われ,又は当選人に異動が生じて,再選挙又は補欠選挙の前提が変わってしまい,再選挙又は補欠選挙が無駄になったり,解決困難な問題が生ずるおそれがあるので,そのような事態を避けるために設けられているものである。しかしながら,同項の趣旨は上記のところに尽きるのであって,元の選挙についての選挙訴訟等が提起されることなくその出訴期間が経過するか,又は,その出訴期間が経過するとともに,係属した選挙訴訟等が訴えの却下等により係属しなくなったときは,同項の適用の余地はなくなるのである。同項は,選挙訴訟等の訴えの利益を基礎付けるものではなく,前記のとおり一定の場合に衆議院小選挙区選出議員の辞職により選挙訴訟の訴えの利益が消滅すると解することの妨げとなるものではない。




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